米国では、2025年1月の雇用統計が予想を大幅に下回った。エコノミストは、非農業部門の雇用者数が17万人増えると予測していたが、現実はその数字に2万7000人届かず、実際には14万3000人にとどまった。
この事実を私たちは心配すべきだろうか?
会社に勤めることを第一のキャリア目標や収入源としているのであれば、心配すべきであろう。伝統的な仕事しか探していない人は、米労働統計局が発表するデータに一喜一憂してしまうことだろう。
しかし、運や、企業の決定により自分の人生が左右されるのを望む人はいない。
就職活動に取り組むより良い方法は、企業が機会を与えてくれるのを待つのではなく、キャリアを将来にわたって維持する方法を、自ら積極的に見つけることだ。そうすることで、雇用の減速や増加に影響されることなく、自分の経済状況、キャリアの目標、雇用状況をよりコントロールできるようになる。
非農業職(自営業を除く)は上述した雇用減速の影響を受ける一方、フリーランスの雇用市場は活況を呈しており、Statistaによると、将来的に米国における労働人口の50%以上(約8650万人)がフリーランスで構成されると予測されている。
最近のテクノロジーとAIの発展がそうしたフリーランサーの活況に拍車をかけ、オンラインでお金を稼ぎ、フリーランスとしてキャリアを始めることがこれまで以上に身近で簡単になった。
しかし、何から始めればいいのだろうか?
ほとんどの人が、本業のスキルや強みが個人のビジネスでも武器になることに気づいていない
■1. 自分の強みを理解する
フリーランスを始め、キャリア経験を積みながらオンラインでお金を稼ぐために必要な最初のステップは、自分の強みを理解し、それを活用することだ。ゼロから新しいことを学ぶよりも、すでに持っている知識を活用した方が、ビジネスを成功させ、経済的に自立することがはるかに容易になるからだ。そうすることで、あなたは自信を持つことができ、より早く、より良い結果を得ることができる。
ほとんどの人は、本業で日頃から発揮しているスキルや強みが極めて価値のあるものであり、それを個人で始めたビジネスでも直接的または間接的に応用できることに気づいていない。
自分の強みを確認したら、ChatGPTを使って儲かるビジネスのアイデアをリストアップしてみよう。そして、その中からあなたの情熱と最も合致するものを見つけるのだ。
良いアイデアがいくつか見つかったとしても、一度に全部始めてはならない。そうすれば事業を広げすぎて、自分にプレッシャーをかけてしまう。フリーランスのビジネスが成長するにつれて、規模を拡大したり、仕事の一部を委任したり、自動化したりすることができるようになるので、その時に他のアイデアに取り掛かるようにすれば良い。
■2. 何にでもイエスという
フリーランサーとしてキャリアをスタートするとき、できるだけ多くのチャンスにイエスということは、あなたの成長と成功に欠かせない。自分の得意分野を明確にしていたとしても、クライアントからはさまざまな依頼が降りかかり、それが時にはその得意分野を外れたものであることも珍しくはない。しかし、少なくとも最初のうちは、そうした依頼も積極的に引き受けるようにしよう。なぜなら、そうした依頼をこなすことで、より幅広い経験を積むことができ、方向転換が必要な際にそうした経験が生きてくるからだ。そうした経験が、あなたのポートフォリオを構築していくのである。
よく引用されるリチャード・ブランソンの言葉にあるように「もし誰かがあなたにすばらしい機会を提供し、それがあなたの手に負えるかどうかわからないのならば、イエスと答えなさい」
特に、今まさに新しい仕事を探しているという人は、訪れたチャンスにイエスと答え、自分自身にあえて挑戦することで、求職期間を乗り切り、より大きな可能性への扉を開くことができるだろう。
自分でコントロールできないことではなく、自分の力で変えられる物事にこそ目を向けるべきだ
■3. 市場を研究する
最後になるが、自分の市場を徹底的に知ることも重要だ。あまりに多くのフリーランサーや副業希望者が、思いつきや当てずっぽうでリソースを投入するという致命的なミスを犯している。特に、数カ月の間、仕事を探している人や、最近職を失ったばかりの人にとっては、そうしたミスが致命傷になってしまう。
それよりも、誰にサービスを提供しようとしているのかを知ることに時間をかけよう。彼らの悩みの種を知り、彼らがよく使うプラットフォームを分析するのだLinkedInやYouTubeを使った方がうまくいくビジネスもあれば、InstagramやTikTok、X(旧ツイッター)の方が向いているビジネスもある。
最も成功しているクリエイター、インフルエンサー、フリーランサーは、自分たちのオーディエンスが誰で、オーディエンスが何を必要としているかを正確に把握している人たちだ。そうした分析は将来実を結び、戦略的にオンライン上の知名度やプレゼンスを高め、収益を最大化するのに役立つ。
ここでもう一度、冒頭の質問を考えてみよう。私たちは雇用市場の動向に一喜一憂すべきなのだろうか?
もしあなたがすでに心配しているとすれば、あなたは間違ったことに目を向けている。自分でコントロールできないことではなく、自分の力で変えられる物事にこそ目を向けるべきなのだ。
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