ザブングル加藤が副業で20万円稼ぐ「消防設備士」って何する人なのか

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日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が本サイトで現代のトレンドを徹底解説。今回のテーマは「副業」。あの人気芸人も地道に稼いでいる、注目の国家資格を深堀りした

「カッチカッチやぞ!」のキメ顔で一世を風靡したのはお笑いコンビ・ザブングルの加藤歩さん。2007年のM-1決勝進出以来、独特の筋肉芸でお茶の間を賑わせた彼も、今や芸歴25年超のベテラン芸人です。

その加藤さんが近年取り組んでいる「副業」が業界内外で話題となっています。 それは「消防設備士」。バラエティの現場で見る「芸人・加藤」の姿とは打って変わり、作業着に身を包み、真剣な眼差しでビルやマンションの防災設備を点検して回る——。芸人でありながら国家資格を持ち、安定収入を得ているという“二刀流”のキャリアには、単なる副業という言葉では片付けられない深みがあります。

「消防設備士」とは、ビルやマンションなどの建物に設置された消火器、スプリンクラー、火災報知器、避難誘導灯といった防災設備の点検や整備、あるいは設置工事を行う専門職です。 

消防法で半年に一度の点検が義務付けられているため、常に需要があり、仕事が安定しているのが特徴。芸人の仕事は波がありますが、消防設備士は法令に基づいた需要があるので、仕事は絶えません。

加藤さんが手掛ける作業は、ビルやマンションの各部屋、トイレ、廊下などに設置された探知機や避難設備の点検。煙を出して探知機の反応を確認するなど、実際の火災時を想定した対応が求められます。大規模なタワーマンションでは、5人チームで1週間かけて作業することもあるといいます。

■日給2万円、週2〜3日の労働で月給20万円

 加藤さんはすでに5年のキャリアを持つベテランで、1万室以上の点検実績を持っているそう。日給2万円、週に2〜3回働いて月に約20万円という安定収入は、ピン芸人として再出発した加藤さんにとって、大きな安心材料となっていることでしょう。

「転機は2019年。当時、闇営業問題による謹慎処分から復帰したばかりだった加藤は、テレビ番組で出会った消防設備会社の社長に“芸能界の仕事は不安定だから副業しませんか?”と声をかけられたそう。

最初は笑い話のように聞き流したが、2020年のコロナ禍で状況が一変して仕事は激減、収入は4分の1に。家族を養い、住宅ローンを抱える身としては、まさに“背水の陣”となった。そこで加藤は社長の誘いを思い出して連絡。補助的な作業から現場に入りつつ資格取得に挑戦したそうです」(放送作家)

消防設備士の資格は甲種と乙種に分かれており、1類〜7類(さらに特類も)と区分されています。取り扱える設備は各類で異なり、たとえば乙種6類は消火器の点検整備、甲種4類なら火災報知設備の設置工事も可能となります。

甲種の取得には大学での特定学科の修了、もしくは3年以上の実務経験などが必要なため、乙種から始めるのが一般的。合格率は乙種で40〜60%とされており、独学でも合格可能です。

ネット上でも加藤さんの働きぶりに対して、「お笑いだけじゃなく、真面目に国家資格を取って働いてるの、尊敬しかない」「副業っていっても、ここまで真剣にやってるのがすごい。むしろ本業よりしっかりしてそう」「消防設備士の加藤さんは芸人の時と違ってイケメン(笑)」という声も聞かれます。

飲食店、アパレル業、アパート経営など芸能人が副業に取り組む例は増えてきましたが、加藤さんのように地道に現場で汗を流し、国家資格まで取得して働いている例は稀。

しかも、この副業がきっかけで全国の防災イベントに招かれるようになり、「芸人×消防設備士」という独自のポジションを築き上げています。

あるインタビューで「YouTubeとかは、みんなが行くところだからやらない。(明石家)さんまさんが“人と違うことをやれ”って言ってた言葉が、ずっと心にあるんです」と語っていた加藤さん。

その言葉通り、芸人としても消防設備士としても「オンリーワン」の道を突き進んでいるようです。

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